負荷時タップ切換器付変圧器の原理について
変圧器には、停電させずにタップを切替えて2次電圧を変える事のできる負荷時タップ切換器付変圧器という
変圧器があります。ここではその原理を説明いたします。
1.負荷時タップ切換器とは
JEC-2220によると,「変圧器が励磁されている状態または負荷をかけた状態で巻線のタップを切換える装置。主として切換
開閉器,タップ選択器(極性切換器または転位切換器を含む)および限流インピーダンスから構成される。」となっている。
具体的には以下の装置によって構成される。
1)切換開閉器・・・・・・限流インピーダンスと組み合わせて使用され,タップ選択器によってすでに選択された回路の
電流を一定の順序で開閉しながら移し換える装置。
2)タップ選択器・・・・・通電能力をもち,かつ無電流状態でタップを選択する装置。
3)転位切換器・・・・・・通電能力をもち,かつ無電流状態でタップ巻線が主巻線に接続される位置を切換る装置。
4)限流インピーダンス・・・タップ切換の際,二つのタップが橋絡された時に流れる循環電流を制限するリアクトルまたは抵抗器。
前者を限流リアクトル,後者を限流抵抗器という。
上記の説明ではわかりにくいので以下にタップ「1」の時の状態を図示する。
負荷時タップ切換装置の役割は変圧器1次側の巻数をかえる事によって変圧器の巻数比を変え,2次側の電圧を任意にかえられる。それも停電させる事なく負荷がかかっていてもタップを変える事ができる。
左の絵は変圧器1相分を抜き出したもの。
変圧器1相分の主巻線のほかに,転位巻線
タップ巻線があり,これらの巻線をうまく
使って電圧を調整する。
具体的な各部の働きを見ていく。
1)転位切換器
転位巻線を使うか使わないかを切り換える。コイルの巻
数を「タップ巻線+転位巻線」を使う場合と「タップ巻線の
み」使う場合をかえる。
2)タップ選択器
タップ巻線のコイルの使用する部分を段階的に選択して
細かく巻数をかえる。タップ選択器には奇数を切り換え
る部分と偶数を切り換える部分と2つの切換器がある。
3)切換開閉器
タップ選択器の奇数側を使うか偶数側を使うかを切換
を切換える。この装置のおかげで負荷がかかっていて
もタップを切り換えられる。
動きの詳細を以下に示す。
2.タップ切替手順
1)タップ「1」→「2」への切換え
@切換開閉器を偶数側に切換る。
2)タップ「2」→「3」への切換え
@タップ選択器奇数側を動かす(「1」→「3」)
A切換開閉器を奇数側に切換る。
3)タップ「12」→「13」への切換え
@タップ選択器奇数側を動かす(「11」→「1」)
A転位切換器を「−」側に切換る。
B切換開閉器を奇数側に切換る。
※こうして転位巻線を使わないようにして
再びタップ選択器の「1」から使う。
4)タップ「13」→「12」への切換え
@切換開閉器を偶数側に切換る。
5)タップ「12」→「11」への切換え
@タップ選択器奇数側を動かす(「1」→「11」)
A転位切換器を「+」側に切換る。
B切換開閉器を奇数側に切換る。
以上のことから転位切換器が動作する点は
昇圧時→「12」から「13」の時
降圧時→「12」から「11」の時
という事がわかり,昇圧時と降圧時の動作
する点は異なる。
3.変圧器銘板
これで負荷時タップ切換器付変圧器の動作原理がご理解頂けたと思います!!
