配電線短絡保護



  配電線短絡事故時の保護方式について説明します。



左の図は、変電所の配電線引出口部分の詳細を書いています。配電線の短絡保護には過電流継電器(51)が用いられます。

51とは?
過電流継電器。継電器に整定値以上の電流が流れた場合遮断器を開放し、事故発生線路を停電させて電力系統から事故箇所を切り離す。簡単に言えば家につけられたブレーカーのようなもの。あれは一定以上電流が流れれば動作しますね!

  51リレーは配電線引出口に設置されたCTの2次側に設置され、常時線路に流れる電流を監視しています。整定値(配電線に短絡
  事故が発生した時に流れる電流を計算し、その値を元に短絡事故発生時確実にリレーが動作する値)以上の電流が流れると遮断器
  を開放して線路を停電させます。

通常運転時は左の図のように、通常の負荷電流に応じた電流がリレーにも流れます。通常の負荷電流は短絡事故時の電流に比べはるかに小さく、リレーが動作することはあり得ません。

それに対し、右の図は、短絡事故時の図です。今回の図はST相の2相短絡事故の図です。配電線に短絡事故が発生した際に短絡電流(大電流)が流れます。その結果、リレーの整定値以上の電流が流れるためにリレー動作します。そして遮断器を開放し事故除去します。

この図ではST相事故で1つの51しか働きませんが、TR相短絡ならば両方の51が働きますし3相短絡でも両方の51が動作します。つまりすべてのパターンの短絡事故に対応でき、また51が一つでも動作すれば即座に遮断器開放となります。

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