【電験認定】認定取得体験記

電気主任技術者【認定】

 電気主任技術者免状の認定取得については不明な部分が多く、情報もあまりないことから、実際に認定取得にて電験1種および3種を取得された貴重な体験記を送っていただきました。感謝いたしております。 また、認定取得をこれからがんばろうと言われる方は、ぜひとも参考になさってください。

第2種電気主任技術者免状 認定取得体験記 加藤 隆(お天気屋)様(2012.06.25)

私が2種免状受領するまでの体験を順を追って以下に記載します。

1.書類の準備
  諸先輩の提出書類の収集&情報聴取

実務経歴

  • 本籍、現住所は戸籍謄本の記載通りにする事。
  • 同じ住所でも、本籍と現住所は記載方法が異なる事があります。
  • 認定資格元要件を最初に記載
  • 2種認定であれば、3種免状の取得日、免状番号と、交付根拠
  • 2種認定の場合、特高に関することのみ記載する。
    (高圧は記載しない)
  • 誤字、脱字は必ず指摘されますので良く確認する事
    (ミスが多いと担当官の印象を悪くし後に響きます)
  • 実務経験年数ぎりぎりでの申請は避けること。
    (「休日もありますよね」と言われた先輩がいます。私の場合は交替
    勤務者による記録を翌出勤日に確認したとして休日問題は回避した。)

組織図(変化のある都度の組織図を作成)

  • 電気主任技術者の所属位置、任期期間、氏名、免状種別、免状番号
  • 申請者の所属位置、期間、役職
  • 申請者所属組織の申請に係わる業務上の職務を簡潔に記載

2.申請窓口への日程予約(経済産業局への直接電話)

3.第1回目(09/12/15、約40分)
 1回目は、必要書類の確認が主な作業の様です。
  必要な書類が揃っていなければ、この時に次回揃える様指摘されます。
  認定要件年数の確認と、大筋での実務経歴書記載内容の確認があり、
  修正又は追記が指示されます。
  誤字、脱字についてもこの時に指摘されます。
  次回の予約はこの時に取ることが出来ます。

(持参書類)
 実務経歴書 2部 証明印なしの印刷物
 組織図 2部
 1部は面接時の指摘項目を本人がその場で赤ペンする為に使用しました。
 その他予約時に指定された書類(3種免状、戸籍謄本等)

 3種免状は写しを持参したが本紙を確認するとして次回持参を指示された。

 また使用することは無かったのですが、実務経歴書に記載した内容について証明できる記録、例えば申請者の確認日付印またはサインのある点検記録等を用意しておくと必要な時に提示するだけで事が済みます。

4.第2回目(10/1/18 約30分)
 2回目は、記載内容の詳細確認が主な作業の様です。

 実務経歴に記載した内容についてはかなり突っ込んだ質問があります。

 実務をこなした上で申請していれば特段問題なく答えられる質問ですがともすれば、実務は何もしていないのに認定要件年数だけで申請する輩がいることも事実で、実際の実務経験を判断する目的と思われます。

 工場勤務では、電力はある意味片手間で通常は電力以外の仕事を行っているのが普通と思います。記載内容については、的確に応答出来る様勉強しておくことが大切です。

 2種の場合、基本的に高圧は関係ないのですが、定期点検における高圧ケーブルの絶縁に関する質問がありました。(正答は2000Vメガーで∞)私より2年前の認定者、1年後の認定者ともに同様質問があったとの事。

 その他、会話の途中に何気なく引っ掛け的な質問がされました。質問を良く聞いて応答すれば良いのですが、中途半端な理解で答えると筋違いの回答をしてしまうこともありますので、質問内容について
問い返し確認してから回答する位の方が慎重という好印象を与えます。

 この回答でモタモタすると、的確に回答出来るまで何回か通うことになります。
(前出の私より2年前の認定者の実体験談)
 又、別の後輩は、ここでメタメタになり認定を諦めた。

 実務経歴に証明印と会社HPにある沿革を添付しなさいとの指示、
 郵送でも良いと言われたが念の為、持参するとして次回の予約。
   (5.で記載する内容から持参して正解でした)

5.第3回目(10/2/3 約10分)
 通常は、この日で受理されるが、私の場合会社の特殊事情、すなわち2つの会社からそれぞれ分離した部門が合併して新会社になっている。

私の、実務経歴が前会社と新会社にまたがっており新会社が全ての業務を引き継いでいることから、証明者は新会社の社長となる。このことの証明が会社HPにある沿革では明記されておらず、会社登記簿を要求され郵送で良いと言われたが、持参するとして次回の予約。

6.第4回目(10/2/15 提出のみ)
 提出、受理
 審査委員会の裁定後、問題なければ約3ヶ月後免状が発送されるとの説明。
 審査委員会にて追加の指示もありうるとのことで、連絡先の再提示。
 実質5分以下にて終了。

7.免状受領(10/4/15付け)

以上、長々と書きましたがこれから申請をされようとされている方のご参考になれば幸いです。

第1種電気主任技術者免状 認定取得体験記 aki様(2009.5.31)

認定申請に至るまでの条件

  • 受変電設備管理業通算 15年
  • 特高受電設備の維持管理業務
  • 電験2種取得後9年

実務経験による電気主任技術者資格取得に係る必要な内容は、3種、2種も基本的には同じだと思います。必要な書類手続き方法は、関連情報で確認して頂くとして一般需要家で2種の守備範囲を超える受電電圧17万V以上で受電する工場、施設は限定されてきます。

(電力会社を除く)私が勤務している一般需要家工場施設で受電電圧77kV,設備容量35,000kvAこの様な施設でも2種の資格でいけますが、1種認定資格取得条件として受電電圧5万V以上、実務経験5年以上の条件は満足していることになります。

そこで、受変電施設点検業者や電力会社営業関係者等 に1種認定情報の確認を致しましたが全く前例が無いとのことでした。そこで、経済産業省電力保安安全課担当部署に直接1種認定取得条件について問い合わせ致しましたところ、予想どおり電気主任技術者認定取得条件の実務内(事務処理的感触) 但し実績は極めて少ないとの事でした。

そこで将来、実務上受変電設備維持管理で1種資格が必要になる可能性は無いとしても、試験取得と異なり誰でもチャンスがあるわけではありませんので、チャレンジしてみる価値はありそうです。2種認定と1種認定の実務カウントの違いは同じ受変電設備維持管理上で何処に違いがあるのか明確には判りませんが、私の経験上から明らかに違うところがありました。

一般的には、実務経歴記載内容で電気設備技術基準、保安規定、社内基準等を遵守すると共に何々 電気主任技術者の指導監督の基~ となりますが、自分自身主任技術者に登録している場合自分で自身を指導監督することはあり得ませんので、ここの部分が大きく実務内容として結果的には、大きな違いがありました。

後継者育成を目的に受変電設備維持管理上必要な技術的教育を、日常巡視点検の際具体的項目の中から繰り返し指導教育を行い点検記録備考欄にその内容を記載した。

具体的内容
  • 系統切り替え操作での注意事項
  • 年次点検の際電力会社事前届出内容
  • 日常巡視点検の際注意事項内容
  • 受変電設備機器突発故障発生時の対処方法
  • 設備機器異常値整定基準内容
  • 電力会社技術講習会内容について社内展開。
  • 社外設備機器の安全対策事例を社内展開。

と言った内容で、通常管理業務の中で教育訓練に力を注いでいることをアピ-ルする。
後よく聞く話で、保安規定が随分古い内容のままで、現状設備機器点検基準に合わなくなっているような場合、現状調査を行い定期的に見直しを行い出来れば必要に応じて変更届けを出しておくと良いと思います。(認定申請の場合重要な判断基準となります)

以上将来チャレンジ対象となる方の参考となれば幸いです。

第3種電気主任技術者免状 認定取得体験記 転職王様

認定申請に至るまでの経緯

  • 設備管理業 6年少々
  • 高圧及び特高受電設備の管理他
  • 高校電気科卒業

簡単ですが、上記の経歴で取得しました。必要な経験等はネット上でお調べ下さい。

認定取得まで一番大変だった事は、実務経歴を証明する書類作成です。
500ボルト以上の設備に関してすべてリストアップし書類に記載します。
PAS,VCB,VCS,VCBTR等全てが対象となります。
ケーブル亘長から始まり、太さ、保護継電器の種類、台数とすべて記入が必要です。
特に特高設備に関しては、スポットネットワーク受電+サブ変が10カ所程度ありましたので、設備のリストアップだけでも苦労しました。

設備は図面および保安規定を見る事により、実務で取得を考えている方なら作成可能かと思います。 いかがでしょうか。

これらの他、当該設備の電気主任技術者に指導、教育を受け、どのような業務に従事したかを記載する必要があります。
具体的には、保安規定に基づき受電設備の電圧、電流等の点検を1日*回点検したとか。
あるいは、月次点検で低圧回路の絶縁抵抗測定を行った、年次点検での継電器試験等の実務の内容を記載します。 実務の内容は、経済産業局で頂ける書類にも記載されていますが、監督としての業務も含まれるようです。

上記以外でも、電気主任技術者が行う保安教育を受けた内容を記載するのも良いかと思います。 これら書類を作成し、担当官の所へ持参するのですが...

以下私の実例です

担当官
「認定取得にあたり、書類の事前チェックにより申請をスムーズに行え るようお手伝いしますが、受けられますか?」

「ぜひ、お願いします」
当然ですよね、優しい担当官でホッとしました。

以後、担当した物件数分の実務経歴証明書を作成し担当官に見て頂きました。
誤字、脱字等のチェックを受け、担当した物件に関する質問です。

保安規定の中にある、保安管理体制について説明してくださいという内容や、具体的な日常点検での測定方法、記録内容、それらに関する問題点等の質問を受けました 。

数年経過しているので質問内容は忘れた部分もありますが、日常点検点検内容では例えば、変圧器の電圧、電流、および油温等の記録をしますと回答をしました。コージェネも併設されていて、それら機関部分の整備点検をも行っていた事もあり並行運転に関する事項も答えました。

また、年次点検の作業手順を聞かれた事を覚えています。
たとえば停電させる手順ですね、筆記試験には出題されませんが、実務を行って申請する手前、答えられないと大変なようです。聞いた話ですが。

書類の不備もなく、面接も無事おわればメデタシですね。
自身は4回通いました、3回でも通ったのですが、一部文字の欠けている部分を修正して提出するためです。
提出時、書類には建物オーナー及び自身の所属する会社の代表印を頂きました。
待つ事2週間程度でしょうか、免状を頂きました。

実務経歴での取得を目指すまでの間、国家試験は数回受けていました。
理論、法規は科目合格できましたが、電力、機械が合格できず、最終的に国家試験での取得は諦めました。
一応は国家試験も受けましたと言った雑談もした事を思い出しました。
受けた回数や科目合格していた事も、一応はアピールしました。
以上の内容が、皆さんの参考になれば良いですが、いかがでしたか。

参考に..
2種の実務経歴取得をした方の書類を見ましたが、実にシンプルでした。
理由は、3種を取得している場合、高圧部分の記述が不要となるからです。
特高部分のみですので、A4用紙2~3枚で終わるようです。

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