【電験3種】効率的な学習順序

電気主任技術者【第3種】

電験3種の勉強方法(全般)

 電験3種の勉強方法としては、ぜったい合格できる方法にも書いたのですが、過去問題をなるべくこなして、出題範囲や傾向(自分では”問題の味”と言っています)を掴むことや解き方をおぼえていくことが大切です。

 しばらく問題をやってからテキストを読むことでみどころも分かるようになります。

管理人

問題の味を覚えていくことが勝利のカギです。

 電験3種の範囲はとても広いので、完全に理解しなくてもよいと考えます。”解き方”を手法として覚えてしまうことが有効です。何度も解いていると覚えてきます。公式的なものも頭に入ってきます。

 最初に頁数の多いテキストを通読してから問題をするというのは結構大変で、途中であきらめてしまうことが多いです。

 テキスト読むのに疲れるのと、最後まで読む前に勉強自体を辞めてしまう可能性が高いことや最後まで読んでいると最初のあたりを忘れてしまいます。おすすめは、調べながら問題を解くことです。

「1問でも解ける問題を増やす」ことでやる気が続いたりモチベーションが維持できたりします。テキストを読むにしても、問題にいきなり取り掛かって、解き方をテキストで辞書的に調べるという使い方が効果的です。(目的を持って読むことができる)

試験勉強に取り組む科目の順番について

 わたしは次の手順をおすすめしています。

突破順序

  1. 理論(電験を受けるレベルの人ならわかる問題があるはず)
  2. 法規(難易度的には低い。法令と簡単な計算問題)
  3. 電力(専門的な科目、近所に実物があり比較的イメージしやすい)
  4. 機械(もっとも難関。範囲もひろく最後まで残ることがおおい)

 4科目全部取るのはとても大変です。範囲が広く、どこから手を付けてよいか分からなくて、結局勉強せずに当日を迎えてしまった、というのもよく聞きます。

 2回に分けて合格をめざすのが負担が少なく現実的な手法です。最初に受ける科目としても『理論』『法規』がおすすめです。理論で電気計算の基本的なところを抑えておくことで電力機械に繋げていくこともポイントですし理論や法規の方が学習難易度が低く始めるのにはもってこいです。

 CBTを選択しない『筆記方式』の場合は、1回目に理論と法規を取ることで、次はゆっくり行って早く帰ることができるようになり、試験当日の負担感も少なくできます。

 電力と機械の関係ですが、もの(機械)が分かって全体(電力)を知るか、全体(電力)が分かってもの(機械)を知るか、になりますが、全体(電力)を知って(何に使ってるか)から、もの(機械)を詳しくやる方がとっつきやすいのかな、とも思っています。

電験3種 理論

 微分・積分を用いる計算はほとんど出題されないように思います。よって参考書や問題解説の中で、そういった部分で理解に苦しむ(高卒の方はほとんどこれに苦しむ)ようであれば勉強しなくていいと思います。

 難解な部分よりも、磁気回路や電気回路の計算(3相交流回路計算含む)に慣れておく方がよいと思います。 特に3相回路の計算はきちんとベクトル図が書けるようになっておくと(3相交流はベクトルを理解してないと 計算問題が解けない事がある)後々エネルギー管理士(電気)の試験や電験2種へステップアップした時にも確実に 活きてきます。

 Y結線・Δ結線・V結線はもちろんV結線の灯動共用方式の計算などがベクトル図を描いて解けるよ うになっておくとよいと思います。書けなくても一定程度意味が分かる(見て意味が分かる)程度にはなっておくとよいかと思います。

 また、回路計算がR、C等の文字だけを用いた問題もよく出題されます。そういった問題練習も過去問などでしっかりやって慣れておく事が大事です。

電験3種 電力

 発送変配電分野の出題となります。こちらも範囲が広く、論説問題・計算問題のいずれも出題されます。3種は水力の計算問題が比較的多く出題されるように感じるので、水力発電の論理出力や揚水の動力計算などできるようにしま しょう。

 論説問題は水力だけでも、水車の種類や特徴・用途、水力発電設備の構造、キャビテーションや水撃作用などの各種 現象がでます。火力でもボイラの構造や石炭火力・石油火力・ガス火力の構造ほか色々、原子力も核分裂の連鎖反応 の原理とかPWRとBWRの違いや構成材料(反射材、減速材、冷却材、制御材・・・など)を覚える必要があります。発電だけでもこんなにあるので全て覚えるのには大変な苦労でしょう。

 私は一応全範囲を一通り勉強して2回目の試験にのぞみました。電力はものが比較的イメージしやすいことから理解しやすく、大苦労した・・・という思いはないです。

 現物が身近にある(配電線や送電線、変電所など)ので現物を見てみるのもよいです。計算が嫌な場合は、見た目の問題を先に理解していく方がとっつきやすいと思います。送電線に起こる各種現象(スリートジャンプ・ギャロッピングなど)の発生原因や対策のあたりは、イメージしやすいし出題頻度も高いです。

電験3種 電力

 これで苦労してる人が多いです。機械は計算問題の内容が多く、現物が理解しづらいからだと思います。(イメージが湧くとそこそこ理解できる。)

 高卒の私なりの攻略法紹介します。まず、出題範囲ですが、電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理があると思います。大学・大学院卒業の方なら全範囲を学習・・・も可能なのかもしれませんが高校のボクでは到底全部学習&理解は不可能です。

 そこで狙いを絞ります。まず全問題の中で出題比率の高い「電気機器」をある程度マスターします。これは変圧器と直流機・誘導機・同期機になります。半分以上はこの電気機器ではないかと思います。次に照明の計算。これは公式がたくさんあるので全部理解して覚えるのは大変なため過去によくでる問題で簡単めなのだけ勉強します。

 次に電気化学。こちらも深く知る必要はありません。ファラデーの法則のあたりの計算問題だけ解ければ十分です。これも昔から似たようなのがでます。それから自動制御の簡単な伝達関数が求められればそれで十分です。ラプラス変換や応答を求めるようなそんな問題・勉強はやめましょう。出たらあきらめるくらいの気持ちでよいと思います。パワエレは得意ならやってよいのですが、積分が出てくるので嫌ならやらなくてOKです(自分は1種合格までパワエレは避けていました)。

 その程度の範囲をおさえて他の出題範囲はおいておきましょう。情報処理系得意な人はついでにやったらいいと思います。純血の電気系の人は情報分野は畑違いで難しいかもしれません(情報処理の問題は選択問題ででますから、試験でその問題を選ばなければいいので)

勉強してない範囲の問題がでたらやまかんでマークシートを塗る・・・くらいな感じで臨みましょう。機械科目の完全マスターを目指すと範囲が広く心が折れると思います。

機械科目 まとめ

  • 電気機器だけはしっかりマスターして下さい。
  • まず直流機を。これで回転機の基礎(トルク・出力・損失のあたり)を押さえてください。以降の同期機や誘導機も考え方は同じです。また、直流機の計算問題は等価回路図を自分で書けるようにしておけば普通の直流回路の計算と同じですごく簡単ですから確実にマスターしましょう。
  • 次は変圧器。ここでも変圧器の等価回路図を書けるようになりましょう。(1次回路2次回路を含めた形で)そして計算問題。変圧器は効率の問題が頻出されますからよくおさえておきましょう。
  • 次は誘導機。直流機で学んだ回転機の基礎が役立ちます。また誘導機は等価回路的には変圧器と同じように描けるため、変圧器の知識も活かせます。つまり誘導機も勉強をする前からある程度の知識が身についています。これに交流回転機の知識(交流電源での回転機の回転数の計算など)を付け加えれば誘導機がある程度抑えられます。回転磁界もぜひ理解してください。
  • 最後に同期機。誘導機で学んだ交流回転機の知識を活かせば比較的理解しやすいと思います。回転磁界はこっちにも出てきます。変圧器的要素の少ない同期機の方が実は取り組みやすいかも。

 以上のような段階でいけば電気機器はそれなりにできるようになります。これも詳しく勉強していてはとても追いつきませんから、過去問でよくでるようなのを繰り返し練習してください。

 できれば問題文に書いている意味が分かると理想です(日本語を日本語として読めるようになるか)。電気機器の計算問題は解き方がパターン化されているので最悪意味わからなくても解き方を覚えてください。

電験3種 法規

 法規は法律を覚えるばかりかと言えばそうでもありません。計算問題もでます。需要率、負荷率・不等率の辺りは確実におさえておいた方がよいです。それから法令を覚えましょう。交差する電線相互間の距離とか家屋と電線の距離とか電話線との離隔距離とか、似ていて覚えづらいのでなるべくイラストの書いてある参考書でイメージ的に覚えましょう。(これだけシリーズ法規がおすすめ)

まとめ
  • 過去問題をなるべくたくさん解く。
  • 10回分の過去問に取り組むと理想的。
  • 余裕があればそこから更に遡る。
  • テキストは問題の答えを調べるのに辞書的に使う。
  • いきなり問題から始めた方が持続しやすい。1問でも解ける問題を増やす。

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