【技術士1次(電気電子)】実はおいしい合格基準

技術士1次(電気・電子)

技術士1次試験の合格基準

毎年同じとは限りませんが、少なくとも令和5年度の合格基準は以下のとおりです。

基礎科目、適性科目及び専門科目の各々の得点が50%以上

・基礎科目の得点が50%以上 ⇒ 7.5点(8点)以上(15点満点)【1 問 1 点】
・適性科目の得点が50%以上 ⇒ 7.5点(8点)以上(15点満点)【1 問 1 点】
・専門科目の得点が50%以上 ⇒ 25点(26点)以上 (50点満点)【1 問 2 点】

引用元:令和5年度 技術士第一次試験受験申込み案内

通常の国家試験は概ね6割ですが、これは50%です。これだけでもだいぶ驚きです。
通常の国家資格より合格ラインがうんと低いのです。

選択問題がたくさんあります。

この試験の特筆すべき点は選択問題の多さにあります。

まず、回答すべき数/問題数ですが、以下の通りとなります。

 基礎:15問/30問(=15問は選ばなくていい)
 適性:15問/15問(ぜんぶ選択)
 専門:25問/35問(=10問は選ばなくていい)

たとえば、専門科目は出題された問題のうち10問がさっぱり解けなくても満点とれてしまいます。
専門科目で50%狙うとすると13問正解が必要ですが、25問中13問というよりも、35問中13問解ければいいわけで、37%解ければ合格ラインです。37点というのはよっぽどだと思います。

基礎科目なんて、半分の半分できればいいわけで、25%解ければOKです。普通なら赤点になるレベルで合格となってしまいます。

基礎科目

【科学技術全般にわたる基礎知識】
 出題内容は、4年制大学の自然科学系学部の専門教育課程修了程度です。

次の各問題群から、それぞれ6問、計30問出題され、
各問題群からそれぞれ3問ずつを選択し、計15問を解答します。
【15点満点(1問1点)】

(1群) 設計・計画に関するもの〔 設計理論、システム設計、品質管理等 〕
(2群) 情報・論理に関するもの〔 アルゴリズム、情報ネットワーク等 〕
(3群) 解析に関するもの〔 力学、電磁気学等 〕
(4群) 材料・化学・バイオに関するもの〔 材料特性、バイオテクノロジー等 〕
(5群) 環境・エネルギー・技術に関するもの〔 環境、エネルギー、技術史等 〕

適正科目

【技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性】
15問出題され、全問を解答します。
【15点満点(1問1点)】

専門科目

【あらかじめ選択する1技術部門に係る基礎知識及び専門知識】
出題内容は、4年制大学の自然科学系学部の専門教育課程修了程度です。

各技術部門とも35問出題され、25問を選択して解答します。
【 50点満点(1問2点)】

技術部門「電気電子」の専門科目の範囲
 (1)発送配変電
 (2)電気応用
 (3)電子応用
 (4)情報通信
 (5)電気設備

選択問題の注意事項

受験案内に次の記述があります。とても恐ろしいことが書いてあります。電気工事施工管理技士などは確かオーバーした数は減点だったかと思いますが、「失格」になるようです。ぜったいに塗りすぎだけはしないようにしましょう。

次の場合は、「失格」とし、すべての答案を採点の対象から除外します。
 (6)指定された問題数を超えて解答した答案を提出した場合

引用元:令和5年度 技術士第一次試験受験申込み案内

管理人の成績&昔の合格基準(見ても仕方ない記事)

 どうでもいい話ですが、私が受験した平成20年度(大昔!)の頃の話も書いておきます。古い話ですが、興味があればネタ的に見てみてください。なお、昔は上記3科目+共通科目の合計4科目がありました。電気関係の資格で1科目(共通科目)は免除を受けられました。

 また、合格基準も今よりさらに緩かったかもしれません。ただし、基礎科目の出題数が今は増えているのでその分楽になっているともいえるのでどちらが楽かは一概には言えません。

昔の合格基準(現代じゃありません!)

合格適格者は、次に掲げるすべての要件を満たすものとする。

  • 適性科目の得点が50%以上であること。
  • 共通科目として選択する2科目の各々について、得点がその科目の平均点以上であること。
  • 基礎科目および専門科目の各々の得点が40%以上、かつ基礎科目及び専門科目の合計得点が50%以上であること。

昔の選択問題(現代じゃありません!)

回答すべき数/問題数(出題数はよく変わるので毎年同じではない)ですが、

  • 共通:2科目各20問/2科目各20問(=ぜんぶ!)
  • 基礎:15問/25問(=10問は選ばなくていい)
  • 専門:25問/35問(=10問は選ばなくていい)
  • 適性:15問/15問(ぜんぶ!)

となっています。(H20年度)

(合格基準の救済措置
専門と基礎科目は合わせて50%です。
2科目で50%正解すればイイワケです。(各々40%は超えている必要はある)

ここで大事なのは、得点の50%以上というトコです。
問題の配点は、基礎科目は1問が1点、専門科目は1問が2点になっています。

基礎:15問×1点=15点 専門:25問×2点=50点
合計で65点あり、そのうち半分なので、33点取れればOKになります。
(専門得意で基礎苦手な人はチャンスですね)

最低の合格ラインは各科目40%なので、
基礎:15問×0.4=6問  専門:25問×0.4=10問 になります。

(得点例)
 基礎で10問(10点)+専門で10問(20点)=30点(=不合格)
 基礎で 6問( 6点)+専門で14問(28点)=34点(=合格)
 基礎で13問(13点)+専門で10問(20点)=33点(=合格)
 基礎で 5問( 5点)+専門で25問(50点)=55点(=不合格)

ちょっと分かりにくいですが、最低40%のラインを下回ると片方は満点でもアウトです。

ですが、専門が簡単で14問以上正解すれば基礎は6問でOKです。
おいしすぎるルールです。
電気専門分野の人にとって、専門科目は比較的易しいと感じられることが多いと思いますので、専門科目の配点が高いというのは助かると思います。

管理人の成績

試験後に届く”成績通知書”に得点が書いてありますので載せてみます。
こちらには配点と、当時合格基準の1つだった「基礎+専門」の合計得点が載っています。( )内は満点の点です。
ちょっと恥ずかしいですが、管理人のもとへ届いた本物をご覧くださいませ(笑)

恥ずかしながら、基礎はギリギリの50%越えです(汗)
専門科目もあれほど楽だと書いていながら38点(76%正解)で、19問/25問正解ですが、実際は19問/35問なので、54%しか分かっていなかったということで、「専門科目難しくない」と書きつつちょっと恥ずかしい結果です。でも、正式記録は76%正解です!

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