【第1種電気工事士】自動点滅器・タイムスイッチの回路・複線図・配線

第1種電気工事士

 第1種電気工事士技能試験には、自動点滅器・タイムスイッチ回路が出題されます。この回路についての考え方をしっかり解説した参考書はあまり見かけません。ここではその回路を詳しく解説したいと思います。

自動点滅器のある回路図

 仕組みから回路図の組み立て方までを解説します。

自動点滅器の目的

 自動点滅器は、外の明るさを検知し一定以下の暗さになると自らのスイッチをONに切り替えて照明を点灯させます。また外が明るくなると自らのスイッチをOFFさせる事によって照明を消灯させます。このように自動的に照明を入り切りする装置を自動点滅器といいます。

自動点滅器の仕組み

図のように、自動点滅器にはcdsセルという素子が組み込まれています。これは、自動点滅器の要です。cdsセルによって明るさを検知し、「3」に通ずるスイッチのON、OFFの制御をしています。

自動点滅器の電源

家電でも同じですが、電気で動くものには必ず電源が必要になります。自動点滅器の場合、左で説明したcdsセルへ常に電源を供給しなければなりません。このための電源回路が1番と2番端子になります。

自動点滅器の動作

 自動点滅器の「1」端子には非接地側電線(黒線)、「2」端子には接地側電線(白線)を、電源として接続します。「3」端子は、自動点滅器動作時に非接地側の電源が出力されます。この接続により、スイッチが自動的にON/OFFする回路が出来上がります。cds回路という部分が周囲の明るさを検知する部分です。ここには常時電源をつなぐ、と理解してください。

○A動作
cds回路が、日没を検出(暗くなる)すると自動点滅器の3端子につながる接点(スイッチ)が閉じて「3」端子に非接地側の電源が出力されます。
○B動作
cds回路が、日の出を検出(明るくなる)すると自動点滅器の3端子につながる接点(スイッチ)が開いて「3」端子に出力されていた電源が停止されます。


自動点滅器はこのような動作を行い、電灯の入り切りを自動的に行います。cdsセルは周囲の明るさを検出するため、常時電源が必要になります。

自動点滅器を使った回路図(複線図)

(練習問題)以下に示す回路の複線図を考えてみてください。

自動点滅器を使った回路図(複線図解答)

【手順①】
電源(ブレーカ)に電源線(赤白線)を書き入れます。

【手順②】
cds回路に「常時電源」が必要なので電源を書き加えます。コンセントと同じように扱います。

【手順③】
負荷(レセプタクル)に接地側電源線(白線)をつなぎます。

【手順④】
負荷と自動点滅器のスイッチをつなぎます。3番の端子を普通のスイッチとおなじように扱って接続します。

タイムスイッチのある回路

 タイムスイッチの仕組みから回路図の組み立て方までを解説します

タイムスイッチ回路は「M」と書いてある所がタイマー本体のモーターで、タイマーに常に電源を与える事でタイマーが回転して、内部のスイッチを入切します。 回路の考え方は自動点滅器と同じで、自動点滅器の「CdSセル」を「モーター」に置き換えただけです。従って「M」には常に電源が必要となります。


タイムスイッチは、○○時~○○時までの間はON、それ以外はOFFという使い方をします。ONの時間がくると自動的に中の接点がONします。タイマーが内蔵されているため、常時電源が必要です。

タイムスイッチを使った回路図(複線図)

(練習問題)以下に示す回路の複線図を考えてみてください。

タイムスイッチを使った回路図(複線図解答)

【手順1】
複線図に各器具とタイムスイッチの内部回路を書き込みます。

3路スイッチも細かく書いておきます。

【手順2】
タイムスイッチのタイマーに電源を接続します。コンセントと同じように扱います。

【手順③】
負荷(レセプタクル)に接地側電源線(白線)をつなぎます。

【手順④】
3路スイッチへ非接地側電源線(黒線)をつなぎます。

【手順⑤】
負荷とスイッチを接続します。
(3路スイッチ側の回路)

【手順⑥】
負荷とタイムスイッチのスイッチをつなぎます。L1の端子を普通のスイッチとおなじように扱って接続します。

【手順⑦】
3路スイッチの配線をつなぎます。

自動点滅器・タイムスイッチ回路出題例

理解の確認をするのに最高の過去問題です。
上の説明を踏まえて回路図を見てみてください。

引用:2019年度第1種技能試験の解答(12/7(土)、12/8(日)実施) 候補No.9

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