【電気工事士】工具6点でOK?第1種と第2種の必要工具を比較

電気工事士【共通】

 第1種電気工事士の技能(実技)試験に必要となる工具は第2種電気工事士と違うのか?何か追加で入手する必要があるのかについて解説します。

受験案内上の違い

 まずは、受験するのに必要最低限必要と言われる「指定工具」について受験案内上の記載事項の違いを確認します。

令和6年度第一種工事士試験(国家試験)上期試験受験案内 抜粋
令和6年度第二種工事士試験(国家試験)上期試験受験案内 抜粋

(結論)
 第1種と第2種で最低限必要とされる道具は全く同じ

最低限必要とされる「指定工具」は、まったく同じでした。指定工具のうち「スケール」は前述の工具に寸法を記載すれば特に不要となります。このため、

指定工具6点で合格することができる

と言えます。

指定工具については次の記事に詳しくまとめています。

第1種と第2種の工具選定上の違い

 「工具」に特化して第1種と第2種の技能(実技)の着目すべき違いは「出題される電線が違う」ことにあります。具体的には、次に示す「より線」が出題されます。

第1種と2種の工具選定上の大きな違い

扱う電線が違います、「より線」の電線がでてきます。

・高圧絶縁電線(KIP)8mm2
・600v制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル(CVV) 2mm2
・600vビニル絶縁電線 5.5mm2、2mm2 ・・・etc

※単線:1本の金属の線、直径で表す。
 より線:細い線をいくつかより合わせた線。mm2で表す。

より線用ストリッパ

第2種では右の単線しか出てきませんでしたが、「より線」が出てくるので第2種で使うストリッパ(被覆剥ぎ取り工具)ではストリップできないため、被覆ストリップ対策が必要です。

もちろんのナイフで代用可能

当然のことながら、指定工具だけで対応可能なので、ナイフで対応可能です。私が受験した当時はストリッパ使用不可(指定工具以外使用不可)だったので、ナイフで対応しました。この記事で紹介するのは、追加購入すれば「便利」なだけのものです。

第2種をストリッパ無しで乗り切った方は無くても大丈夫だと思います。第2種をストリッパ必須と感じている方は、より線用のストリッパもあった方がよいかと思います。

第2種電気工事士で手配した工具で十分対応可能であることはご理解ください。あとはご自身の実力にしたがい手配有無をご検討ください。

 より線の被覆ストリッパです。第1種電気工事士では2mm2や5.5mm2の電線の被覆の剥ぎ取りが可能です。当然電工ナイフでも対応可能。ストリッパを使えば早く、傷つけず対応可能です。

k引用元:Amazon ホーザン(HOZAN) ワイヤーストリッパ より線用 P-90-C 商品紹介ページ

 高圧絶縁電線(KIP)や600v制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル(CVV)は太いので、ペンチで一発では切れません。この工具があれば簡単に切断可能です。切断するだけのものでこれを購入するのは少し割高かも より線の被覆ストリッパです。第1種電気工事士では2mm2や5.5mm2の電線の被覆の剥ぎ取りが可能です。当然電工ナイフでも対応可能。ストリッパを使えば早く、傷つけず対応可能です。

丸形ケーブル(CVV・VVR)外装用ストリッパ

丸形のケーブルの外装をストリップする専用工具。具体的にはVVRやCVVケーブル用です。第2種電気工事士でもVVRは出題されます。第1種ではこれに加えてCVVケーブルが出てきます。ストリッパを持っていないと電工ナイフでの対応となります。出題されなければ使うことがありませんが、不安な方は1本持っておくと安心感が違うと思います。

KIPは適用できません。

これも一回やってみてから必要かを検討でよいです。必須ではありません。

時短には確実につながります。分かりやすく表現された方のレビューがありましたので参考に引用転載します。

VVRやCVVの外装がとても素早く安全にむけます。
剥きたいところを挟んでクルクルっと2周し、次に横向きにケーブル端まで引き抜きます。あとは手で外装をねじれば簡単にネギのように剥けます。
よく、2周するとはじめと終わりがズレて螺旋になってキレイにできないといいますが、自分もそうでしたが、どっちに偏るかのクセさえつかめばちゃんときれいにつながるように剥けます。
切る深さについてはあらかじめ何度か試して調整が必要です。VVRもCVVも同じ深さでいけるので、一旦決めてしまえば本番で調整の必要はないです。
KIP8についてはこれで剥くことはできません。深さが変わるし、むしろ時間がかかってしまう。ムキチョッパがいいと思います。
自分の試験本番の時はVVFしか出なくてこいつの出番がありませんでしたが、持っていると心強いです。

なおND-800Sより少し大きめのND-800のほうがいいと思います。両方持っていて、第一種の実技対策としてはどちらでも大丈夫でした。

Amazon デンサンケーブルストリッパーND-800s商品レビュー

ケーブルカッタ-

高圧絶縁電線(KIP)や600v制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル(CVV)は太いので、ペンチで一発では切れません。この工具があれば簡単に切断可能です。切断するだけのものでこれを購入するのは少し割高かも。写真の高圧絶縁電線(KIP)を切断する際に、ペンチで切断する場合は電線が太すぎるので大変でした。買わない場合はニッパで少しずつ切るのがいいかも。

第2種へのアップグレードキット

 第2種電気工事士→第1種電気工事士にステップアップした方のために、1種便利工具のみ追加可能となっているセットがあります。必要だと思われたらセットの方がお得です。

ケーブルカッタとより線用のストリッパのセットです。

工具えらび

 工具選びについては次の記事に細かく記載していますので参考にしてください。

まとめ

 この記事の本題をまとめます。

結論:2種と同じでも問題ない

時間を短縮させないと厳しい場合に、出題される電線の違いを考慮したストリッパやケーブルカッタを購入すればよいです。これらは、第1種の練習を実際に体験してみてから追加要否は考えればよいと思います。

VVFケーブル用に加えて、より線用、丸形外装用とストリッパがたくさん増えます。ですが技量が追い付かず時間が足りなければどうしようもないので道具に頼ってよいと思います。丸形ケーブルは出題されない可能性もあるのでお守り的な存在ですが、苦手な方には強い味方になると思います。

以 上

コメント

タイトルとURLをコピーしました